健康支援ディアス -岐阜県初の開業保健師の設立した団体-
独立行政法人福祉医療機構 社会福祉振興助成事業の活動報告です
- 2014年3月14日 1:12 PM
- 未分類
健康づくりと絆づくりのコミュニティ・カフェ「感動カフェ・ディアス」
地域の喫茶店として、モーニングサービスやランチの提供、
さらに、講座やイベント、地元のお年寄りを招いた3世代交流のお祭りなどを開催しています。
背景と目的
国の認知症施策推進5か年計画「オレンジプラン」では、認知症サポーターの育成600万人を目標にしているが、養成講座を重複受講し、オレンジリングを2つ以上持っている者がいても、どこで活かされているかが不明である。岐阜市内でも養成講座受講者の累計は出るが、地域で認知症の高齢者を支えるところまではいたっていない。
岐阜市南部には身近に認知症介護について相談でき、介護者同士で情報交換できる場が少なく、家族が認知症になった時、それを近所に隠し家族で抱え込むケースが多い。さらに多くの人が認知症を他人事ととらえる傾向にある。
地域で認知症の高齢者とその家族を支えるためには、認知症の正しい理解の普及と、いつ当事者やその家族になるかわからないことを啓蒙していく必要がある。さらに、身近に認知症介護について相談でき、家族同士で情報交換できる場があることを発信することで、安心感が生まれる。また、認知症サポーター養成講座については、意欲のある受講者には地域で登録制にするなどして、さらに深めた内容でフォローアップ研修をし、地域での見守り、支え合いの体制を強化していくことで、地域で認知症を支えることができるようになると考える。
成果
認知症サポーター養成講座およびフォローアップ研修には、合計38人の参加があり、アンケートでは講座の内容について「満足」と答えた人がほとんどであった。フォローアップ研修では、介護者や医療・福祉専門職の参加もありさらに掘り下げた内容を学ぶことができた。過去から現在までの受講者リストをもとに、今後は真のサポーターとして地域で見守りなどの役割を果たす人を育てる意味でも、定期開催していく。
認知症介護者のつどい「空の会」を計14回開催し、延べ67名が参加した。公益社団法人認知症の人と家族の会 岐阜県支部世話人(介護経験者)の協力で介護経験の浅い人も、介護経験豊富な世話人から助言を受けることができた。弱音を吐くこと、溜め込まずに愚痴を言うこと、本音で語り合うことの重要性を感じた。
認知症介護相談は今年初の取り組みであり、まずは必要な人に事業を知ってもらうことの重要性を感じた。毎週月曜日のカフェでの予約制の相談の利用者は延べ69名であったが、火曜日から土曜日のカフェの営業時間(10時~16時)に対応したケースもあり、珈琲を飲みながら軽く相談ができる体制を整えておくことの必要性を感じた。ショピングセンターでの介護相談利用者は延べ49名で、利用者が少ない日もあったが、買い物のついでに相談窓口を知ることとなり、認知症の啓蒙の役割を果たした。
認知症サポーター養成講座(夏休み期間だったため、地元の中高生も参加)
役立つ情報が得られた | 19 |
日頃の生活や活動に役立った | 17 |
スキルアップにつながった | 7 |
他の参加者との交流・情報交換が図られた | 2 |
抱えていた問題・不安の解消につながった | 10 |
認知症サポーター養成講座参加者アンケート その他の意見
- 間違った知識を是正できた。
- 生の声が聞けてよかった。
- 認知症の人を差別してはいけないと思った。
-
色々な場所で、このように認知症のことを
正しく学べる機会が多くできることを願います。
認知症介護者のつどい「空の会」
認知症介護者のつどい「空の会」
参加者はランチを楽しみに、ほっと息抜きできる場
役立つ情報が得られた | 18 |
日頃の生活や活動に役立った | 5 |
他の参加者との交流・情報交換が図られた | 40 |
抱えていた問題・不安の解消につながった | 8 |
課題、新たなニーズと事業展開
認知症介護相談では、相談日に相談担当者(専門職)が待機したが、相談者が少ない日もあった。介護相談利用者からは「勇気を出して相談に来た」と答える人が多かった。介護者のつどいでは、家族に認知症の人がいるということを隠す、介護者が弱音を吐けない現状、介護は嫁のつとめという古い考え方認知症への強い偏見などがあることを参加者の話の中から感じた。今後、認知症の啓蒙活動をさらに広げ、気軽に立ち寄れるカフェでの相談窓口を継続していくことで、徐々に地域に本事業を浸透させていきたい。さらに、行政や社協などとの連携を強化すれば、参加者・利用者増にもつながると考える。
認知症介護者のつどいの定期開催は、来年度、公益社団法人認知症の人と家族の会 岐阜県支部の協力を得て、岐阜県内の会員に配布される資料の中で広報してもらえることになった。同法人が県内の他地区で開催している「認知症家族のつどい」は公民館などの会場を借りているため、お茶を持ち寄る程度であるが、カフェではランチをしながら、よりリラックスした中で心がほぐれて介護者同士の交流がしやすいとの感想があった。さらに、介護者の気分転換のために、カフェで定期開催しているアロマ&ハーブ講座、ラフターヨガ教室などをつどいの開催に合わせてやって欲しいという要望もあるので、検討していきたい。
認知症予防、引きこもり予防のためのラフターヨガクラブ
毎月発行しているカフェのカレンダー
定期発行している新聞
認知症サポーター養成講座のチラシ
フォローアップセミナーのチラシ
介護者のつどいのチラシ
介護相談のチラシ
地元ショッピングセンターが作ってくれた無料相談会のチラシ
最後に
コミュニティ・カフェでの認知症対策事業には、以下の6つの柱があった。
①実行委員会の開催
②認知症介護相談の実施
③認知症介護者のつどいの定期開催
④認知症サポーター養成講座とフォローアップ研修の開催
⑤認知症についての啓蒙
⑥報告書の作成
今回、様々な立場の人の協力、助言を得ながら、認知症についての正しい理解の普及、啓蒙活動、地域課題の把握ができ、来年度も本事業を継続したい。 さらに、カフェで定期開催しているラフターヨガ教室、アロマ&ハーブ講座、生け花教室などは、介護者の気分転換などに効果的である。介護を抱え込まず当事者同士で分かち合い、介護中心の生活の中で気分転換を行うことに罪悪感を抱かせない場として、コミュニティ・カフェらしい支援活動を検討したい。
本事業は、独立行政法人福祉医療機構 社会福祉振興助成事業として実施しました。今回のご支援に深く感謝いたします。
日総研出版 地域連携 入退院支援 2014年1月・2月号に掲載されました。
- 2014年3月8日 4:19 PM
- 在宅医療・福祉の連携室
健康支援ディアスでは、たとえ病気や障がいがあっても、住み慣れた自宅でその人ら しく豊かな人生を送ることについて支援します。
さらには、その人らしくいられる居場所の提供、安心して大切な人や次の世代へ引き 継ぎのできる看取りを支援していきます。
近代の病院死の増加は、生活の中にあった自然な死を遠ざけ、死は誰にでもいつか訪 れるものであるにも関わらず、死をタブー、人生の敗北、不吉で忌み嫌うものとしました。
しかし在宅医療の進歩は、医療依存度が高い、がんの終末期などにおいても、痛みを コントロールし、訪問診療、訪問看護、訪問介護などの連携により、在宅での看取り が可能となりました。
感動カフェ・ディアスでは、保健師、看護師、ケアマネジャー、管理栄養士などが在 宅医療・介護のご相談をお受けしつつ、「最期は自宅で」と願う人々の思いを叶える ため、在宅での看取りを選択肢のひとつとできる支援をしていきます。
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
- 2014年1月3日 8:45 PM
- 未分類
謹賀新年。
2013年はたくさんの方の支えとご指導を頂きながら、オープン2年目の感動カフェ・ディアスを拠点とし、健康づくりからの絆づくりのために活動してくることができました。ありがとうございます。
カフェの閉店後には、特別なニーズのある子どもたちの支援~たけのこ親子塾を運営し、もうすぐ開校1周年を迎えようとしています。
おかげさまで、大変素晴らしいスタッフや仲間に恵まれ、2014年はさらに医療・福祉分野へ力を入れていきます。
これからも、生・育・働・老・病・死 人生の課題に寄り添い、共に考え、支援できるプロ集団を目指し、スタッフ一同、精進してまいります。
どうぞよろしくお願い申し上げます。 代表理事 永井杜椛(とも)
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